「無防備なコンピュータをインターネットに接続すると,20分以内にコンピュータ・ウイルスなどに感染する可能性が高い」。米BFG Technologiesは,セキュリティ関連の情報を提供するWebサイト「Firewalls and Virus Protection」のSecurity Alerts News Reporterを引用して米国時間11月28日に紹介した。

 ホリデー・シーズンに向けて同社では,コンピュータをハッカー,ウイルス,個人情報の窃盗から守るために,インターネットを利用していないときにパソコンを物理的にインターネット接続から切断させるように呼びかけている。

 非営利団体の全米サイバー・セキュリティ連盟(NCSA:National Cyber Security Alliance)は,「切断することによって,何者かがコンピュータにアクセスするチャンスを減らすことができる。ウイルス対策ソフトがアップデートされていない,またはファイアウオールを装備していなければ,何者かによってコンピュータが感染させられ,インターネット上の他の人にダメージを与えるために利用される可能性がある。自分自身,および他の人を守るために,コンピュータを使わないときにはネットから切断すべきだ」と勧めている。

 同社によれば,現在,インターネットを介して感染するコンピュータ・ウイルスが11万2000種類以上見つかっている。また,現時点で,米国だけで1000万人を超える個人情報窃盗の被害者がおり,コンピュータ・ウイルスは,前年だけで米国企業におよそ550億ドルの損害をもたらしているという。

 インターネットを積極的に利用しているユーザーの63%近くは,ブロードバンド接続でコンピュータを継続的に接続させている。同社マーケティング・ディレクタのJohn Malley氏は,「多くの人は認識していないが,ブロードバンド接続はインターネットの閲覧の有無にかかわらず常に“オープン”な状態となっているため,コンピュータはハッカー,ウイルス,ワームのターゲットとなっている」と説明している。

 「ウイルス対策プログラムといったソフトウエア・ベースのソリューションは必要なものであり実装が勧められているが,これらにもセキュリティ・ホールがある。ハードウエアのファイアウオールでさえも,新しい脅威に対応するために継続的にアップグレードする必要があるため,サイバー攻撃に対する脆弱性が増している」(同氏)

 同社は,デスク上に置いてスイッチのオンとオフにより,インターネットへの接続と切断を行なう製品「Internet Traffic Cop」を紹介している。有線と無線接続の両方に対応する。システムの再起動,再設定,またはソフトウエアのインストールやアップデートは必要ない。Internet Traffic Copの価格は49ドル。全米の小売店で販売されている。

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