カナダのNortel Networksは,企業のセキュリティに対する脅威について調査した結果を,米国時間9月27日に発表した。それによると,企業がネットワーク・セキュリティを確保するうえで懸念しているのはハッキング,不正アクセス,ファイアウオールへの侵入などである。

 調査は,Nortel社が米Mindwave Researchに依頼して実施したもの。米国,カナダ,英国,フランス,ドイツ,メキシコで,さまざまな企業規模の社員800人を対象にアンケートを行った。

 回答者の43%がハッキングに最も不安を感じている。次いで,ウイルス,ワーム,トロイの木馬などが挙げられた。また,過去にウイルスの攻撃を受けたことがある回答者は全体の57%を占めた。

 調査から,中小企業が最も頭を悩ませているのはアプリケーション・レベルのセキュリティ確保であることが分かった。また,ネットワークのウイルス防御も大きな課題である。

 ネットワーク向けセキュリティ製品を検討するときに重視する項目として,「信頼性」を挙げる回答者が約半数にのぼった。そのほかには,「価格」や「サービスおよびサポート」などが挙げられた。また,社員が250人を越える企業では,「相互接続性」や「ネットワーク管理の容易さ」なども重視している。

 機器購入に際しては,ネットワーク機器ベンダーから直接購入したいと考える回答者が多勢を占めた。社内におけるセキュリティ製品の統一を図るためにも,購入先を1社に絞りたいとする回答者は60%にのぼった。

 ネットワークのセキュリティ業務を少しでもアウトソースしている企業は55%だった。またそのうち25%は,全セキュリティ業務をアウトソースしている。一方,社内ですべてのネットワーク・セキュリティを管理している企業は45%だった。

 米Yankee Group上級アナリストのChris Liebert氏は,「企業は,膨大な数のウイルスや外部からのハッカー攻撃に加え,自社の社員によって知的財産権が侵害される恐れがあり,以前にも増してセキュリティ強化を迫られている」と指摘する。「より高度な手口に対抗するためにも,ネットワークを総体的に俯瞰した包括的なセキュリティ対策が必要である」(同氏)

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