米Cisco Systemsは米国時間11月18日に,セットトップ・ボックス(STB)メーカーの米Scientific-Atlantaを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。「合併後は,キャリア・ネットワークおよびデジタル・ホーム向けに世界レベルのトリプル・プレイ技術を提供する」(両社)

 Cisco社は,Scientific-Atlanta社の株式1株につき43ドルを現金で支払う。買収総額は約69億ドルにのぼる。取引は,Cisco社の2006会計年度第3四半期(2006年2~4月)に完了する予定。

 Scientific-Atlanta社は1951年設立で,1959年に新規株式公開(IPO)を実施。STBのほか,エンド・ツー・エンドのビデオ配信ネットワーク,ビデオ・システム・インテグレーションを手掛ける。7500人以上の従業員を抱えており,2005会計年度(2004年7月~2005年6月)の売上高は19億1000万ドル。

 Scientific-Atlanta社のプラットフォームと技術は,ビデオ・アクセスを数百万人規模のユーザーに拡大することが可能という。Cisco社の「IP Next Generation Network」アーキテクチャと組み合わせることで,通信プロバイダにビデオおよびIPTV配信のほか,様々な統合メディア・サービスを展開可能なオープン・プラットフォームを提供できるとしている。

 Cisco社社長兼CEOのJohn Chambers氏は,「消費者向けのエンターテインメント,通信,オンライン・サービスから成るトリプル・プレイのサービス・プロバイダのあいだで,ビデオは重要な戦略アプリケーションとして台頭しつつある。Cisco社とScientific-Atlanta社の統合は,大規模ビデオ・システムおよびネットワークの配信に関して,並ぶもののない体験と革新技術をもたらすことになる」と述べた。

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