米Sun Microsystemsは米国時間11月1日に,Webの第2世代“Web 2.0”への移行を視野に入れた新たなグリッド・ベースのサービスを発表した。「Microsoft Office」などのプロプライエタリ・ソフトウエアで作成した書類をOpen Document Format(ODF)標準規格のファイルに変換するサービスと,テキスト・ファイルをオーディオ・ファイルに変換するサービスの2種類。同社のオンデマンド・ユーティリティ・サービス「Grid Utility」を通じて提供する。
今回発表した新サービスにより,「企業はWebブラウザさえあれば,プロプライエタリな書類をアップロードし,ODFファイルに自動変換できる」(Sun社)。ODFは,ロイヤリティ・フリーの仕様で,テキスト,スプレッドシート,チャート,グラフィカル文書向けに,単一のXMLスキーマを用いる。HTML,SVG,XSL,SMIL,XLink,XForms,MathML,Dublin Coreといった既存の標準規格をサポートする。「OpenOffice.org」「StarOffice」「KOffice」のほか,米IBMの「Workplace」などが採用している。
Webサイトやブログなどのテキスト・コンテンツからポッドキャスなどのオーディオ・ファイルを生成するサービスは,30日以内に利用可能にする。
両サービスとも,「シンプルなWebインタフェースからアクセス可能」(同社)。ODFファイルにしたい書類,あるいはオーディオ・ファイルを作りたいテキスト・コンテンツ(Webサイト)を申請すると,「.odf」および「.mp3」ファイルに変換され,さまざまなブラウザやアプリケーションで利用できるようになる。.odfファイルはOpenOfficeやStarOfficeで扱うことができ,.mp3ファイルは米Apple Computerの「iPod」などで再生することが可能だ。
Sun社社長兼COOのJonathan Schwartz氏は,「Web 2.0が台頭しつつあるのは明らかだ。Web 2.0は,幅広いオンデマンド・サービスがいつでも無償で使え,Webブラウザだけでなく,あらゆるアプリケーションやネット接続対応デバイスと連携する世界だ」と述べた。
なお,Grid Utilityの利用料は1CPUあたり1時間1ドル。同社の「Fire」サーバーや「Solaris OS」などを組み合わせたグリッド・ベースのコンピューティング・インフラを提供する。
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