フィンランドの技術研究センターVTTは現地時間10月13日に,携帯電話の個人情報盗難防止に役立つとする新たな個人特定技術を発表した。歩き方といった動作の特徴から,デバイス・ユーザーを特定するという。
新技術により,ノート・パソコンや携帯電話などのデジタル・デバイスを紛失したり盗まれたりした場合でも,データのセキュリティを確保し,悪用される危険性を低減できる。例えば携帯電話が第三者の手に渡っても,本来の持ち主であるかどうかを判断し,モバイル・バンキングなどを利用できないようブロックする。
「新技術は,パスワードや従来のバイオメトリックスと異なり,ユーザーが入力などの作業をする必要なく,バックグラウンドでID認証を行う」(VTT Electronics部門のHeikki Ailisto氏)
デバイスに搭載したセンサーがユーザーの歩き方などの特徴を測定し,最初にデバイスを使用する際に,測定内容をメモリーに記憶する。その後の使用において,デバイスはユーザーの歩き方と最初に記録した測定内容を比較し,持ち主を認証する。測定内容が一致しなければ,パスワード・ベースのIDを要求する。
VTTによれば,初回テストでは90%以上の確率でユーザーを特定できたという。
米メディアの報道(InfoWorld)によると,同技術はすでに特許を取得している。靴によって変化する歩き方や,センサーのコストなど,いくつかの課題が残るが「今後2年で携帯電話,PDA,ノート・パソコンなどでの搭載を見込んでいる」(Ailisto氏)。
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