カリフォルニア大学(UC)バークレー校は米国時間9月14日,盗難に遭ったノート・パソコンが見つかったことを明らかにした。研究所の分析では,機密データが不正アクセスを受けたかどうか確認できていないが,同校直属の警察組織(UCPD)の調査によると,ID情報が盗まれたり,個人がID情報の不正使用で被害にあったりした形跡はないとしている。「単にノート・パソコンを盗んで売り飛ばすことが目的だったようだ」(同校)
同校は今年3月28日に,同校の学生9万8369人の個人情報を保存したノート・パソコン1台が盗まれたことを公表。3月11日に,関係者以外立ち入り禁止となっている大学院事務所が一時的に無人状態になった際に,何者かが侵入したもようで,同校の従業員が,ノート・パソコンを持って立ち去る人物を目撃し,警察に通報した。
個人情報のほとんどは,同校の大学院生と大学院プログラムの受験者のもので,データの3分の1には,氏名と社会保障番号のほかに,誕生日や住所が含まれていたという。
UCPDが追跡調査したところ,4月14日ごろに,女性が当該ノート・パソコンをサンフランシスコの男性に売却。男性はそれを4月19日にオンライン・オークションに出品し,サウスカロライナの男性が4月22日に落札した。UCPDは6月1日に,当該ノート・パソコンの行方を特定し,サンフランシスコの男性を6月8日に逮捕した。
この男性は,ノート・パソコンを売りに来た女性の名前を知らないが,その供述から,3月11日に従業員が目撃した人物と一致することが確認されている。
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