カリフォルニア大学(UC)バークレー校は,同校の学生9万8369人の個人情報を保存したノート・パソコン1台が盗難にあったことを,米国時間3月28日に明らかにした。現在,警察が調査を進めている。

 同校によると,ノート・パソコンが盗まれたのは3月11日。関係者以外立ち入り禁止となっている大学院事務所が一時的に無人状態になった際に,何者かが侵入したもよう。同校の従業員が,ノート・パソコンを持って立ち去る人物を目撃し,警察に通報した。

 個人情報のほとんどは,同校の大学院生と大学院プログラムの受験者のもので,2001年秋から2004年春の同校大学院受験者(法科を除く),1989年秋から2003年春の同校大学院入学者,1976年から1999年の博士号取得者など。データの3分の1には,氏名と社会保障番号のほかに,誕生日や住所が含まれていたという。

 同校は,「現在のところ,個人データが悪用された形跡はない」としているが,州法に従い,書簡あるいは電子メールで9万8369人全員に通知する。ただし,情報の一部は30年もさかのぼるため,現住所を追跡できないものもある。同校では,盗まれたノート・パソコンに自身の情報が含まれているかどうかを確認するためのWebサイトを設けている。

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