米FaceTime Communicationsは,インスタント・メッセージング(IM)とIRC(Internet Relay Chat)を使った新しいフィッシングに対する警告を米国時間10月5日に発表した。このフィッシング詐欺は,偽の「Google Toolbar」やアドウエアをユーザー・マシン上にダウンロードし,ユーザーを騙して個人情報を盗み取るというもの。

 同社によれば,この複雑なフィッシングの手口は,Googleのブランド名とアドウエア「CoolWebSearch(CWS)」の亜種を悪用している。IMとIRCのテキスト・メッセージにあるリンクをクリックすると,偽のGoogleツールバーやアドウエアがユーザーのマシン上にダウンロードされる。そして,ユーザーのクレジット・カード情報などを収集するページにユーザーをリダイレクトする。

 同社では,現在出回っているブラウザの乗っ取りに関係する2つのURLリンクを警戒するように呼びかけている。これらのリンクは,ユーザーを特定のWebページに導き,プログラムのインストールを開始してHOSTSファイルに変更を加える。再起動すると偽のGoogleツールバーが表示され,「World Antispy」と呼ばれるアンチスパイウエアが起動される。

 この攻撃が仕掛けられると,偽のツールバーは,ブラウザでユーザーをリダイレクトする。また,ポップアップ・ウインドウでクレジット・カード情報の入力を求められる場合もある。同社の調査によれば,この攻撃には3種類のバージョンが見つかっており,それぞれが異なるセキュリティ・ホールを悪用して,IMやIRCなどの異なる媒体を使ってユーザー・マシンに異なるプログラムをインストールしている。

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