ドイツのSAPと米IBMが,ビジネス・インテリジェンス(BI)システムの共同提供計画を,オーストリアで現地時間9月21日に発表した。IBM社のブレード・サーバー「BladeCenter」とストレージ製品「TotalStorage DS4300」に,SAP社のアプリケーション統合プラットフォーム「SAP NetWeaver」を組み合わせ,「低コストかつ高性能なパッケージ・システムとする」(両社)。

 同システムは自己管理や自己設定といったBladeCenterのオンデマンド機能により,管理作業が簡素化されており,運用コストの低減が可能という。「TotalStorageが大容量データに対する信頼性を高め,リアルタイムの問い合わせに対して迅速にアクセスできる環境を実現する。SAP社製ソフトウエアに最適化したデータベース製品『IBM DB2 Universal Database』により,全体的なメンテナンス・コスト削減つながる拡張性の高い堅牢なデータベースを提供する」(両社)

 またSAP社とドイツのSiemensは同日,ユーザー情報管理ソリューションに関する戦略的提携の拡充を明らかにした。SAP NetWeaverとSiemens社の「HiPath SIcurity DirX Identity」を使用し,SAP社製アプリケーションにアクセス権管理の自動一元化機能などを盛り込んだ。同ソリューションは既に利用可能となっている。

 SAP社とSiemens社は製品の開発と統合を共同で進めるほか,マーケティングとサポートも協力する。現在SAP社はHiPath SIcurity DirX Identityの試用版を「mySAP Business Suite」およびSAP NetWeaverに同梱している。

 なおSAP社は同日,米EMC,米Network Appliance,英Redwood Technologies,米Sun Microsystems,米Unisysにパートナ支援プログラム「アダプティブ・コンピューティング」認定を与えたと発表した。

◎関連記事
独SAPの05年Q2決算,全地域が好調で前年比13%増収,16%増益
独SAP,米Oracleや米Siebelなどの競合各社から上級幹部を採用
独SAP,地歩強化を図り米IBM/独Siemens/米Macromediaと提携
米Greenplumなど3社,オープンソースBIプラットフォーム「Bizgres」向けスタックをリリース
Liberty Allianceが実施した初のSAML 2.0相互運用性テスト,8社の製品が合格
米Microsoft,ビジネス・インテリジェンス・ソフト「Maestro」の非公開ベータ版を発表
「ERPベンダー統合が進み,独SAPと米Oracleは圧倒的な存在に」,米調査
「今後3年間でBIは爆発的に普及する」、米マイクロストラテジー幹部が断言

[発表資料(IBM社との提携)]
[発表資料(Siemens社との提携)]
[発表資料(アダプティブ・コンピューティング・プログラム認定)]