ドイツのSAPは企業アプリケーション市場における地歩強化を図り,米IBM,ドイツのSiemens,米Macromediaとそれぞれ提携を結んだ。SAP社が,デンマークのコペンハーゲンで開催している国際会議「SAPPHIRE '05」で,現地時間4月26日に明らかにしたもの。

 IBM社との提携では,IBM社のデータベース・ソフトウエアの最新版「DB2 8.2.2」とSAP社製品との最適化を図った。SAP社の製品を利用している顧客は,DB2 8.2.2の導入,保守,利用を効率的に展開できる。また,高度な自律機能によって,SAP社製品環境でDB2の自動設定などが行える。DB2 8.2.2は4月29日に利用可能になる。

 Siemens社とは,ヘルスケア・プロバイダ市場に向けたITサービスに関して,世界規模の戦略提携を結んだ。両社はこれまで10年以上にわたり,ヘルスケア業界で協力体制を敷いており,今回の提携はこれを強化するもの。今後,SAP社のアプリケーション・プラットフォーム「NetWeaver」をベースにした共同ソリューション「Siemens Soarian and SAP Healthcare」を米国,ドイツ,日本で提供する。

 「ヘルスケア機関は,業務プランニング,財務分析,会計および人事のタスク実行でコラボレーション体制を確立することができる。また,患者管理を強化し,ペーパーワークを大幅に減らすことが可能」(SAP社)

 またSAP社は,Macromedia社のWebアプリケーション・フレームワーク「Flex」を,自社のポータル・アプリケーション構築ツール「NetWeaver Visual Composer」の次期版に組み込む。ユーザーは,よりインタラクティブなGUIを作成することができる。

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