フィンランドのNokiaは米国時間9月13日に,企業向けモバイル電子メール・ソフトウエア「Nokia Business Center」を発表した。「企業の従業員は,モバイル機器を使って,ほとんどいつでもどこからでも企業電子メールにアクセスすることが可能」(同社)としている。

 Nokia Business CenterはJavaをベースにしており,Nokia社が認定した「Java MIDPI 2.0」対応携帯電話で利用可能。当初は「Nokia 9300」「同9500 Communicator」「同6630」「同6680」「同6681」「同6682」をサポートし,米Microsoftの「Exchange Server 2003」と連携する。「Lotus Notes」「Domino」への対応や,その他の携帯電話へのサポートも順次進めていく。

 Nokia Business Centerでは,クライアント・ライセンスを2段階設ける。ユーザー数無制限の「標準」クライアントと,「最小限の手数料」(同社)でアップグレード可能な「プロフェッショナル」クライアント。

 標準クライアントは,電子メールの作成,閲覧,削除やローカル・フォルダの管理,プッシュ型電子メール機能,最新のセキュリティ機能が利用可能。英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語に対応する。

 プロフェッショナル・クライアントは標準クライアントの全機能に加え,会議リクエストの処理,添付ファイルのフル・サポート,従業員の連絡先情報へのアクセス,ローカル・フォルダ検索などを提供する。

 なお,Nokia Business Centerでは,「セキュリティ確保のために,保管して転送するという方法ではなく,直接デバイスと通信する経路でデータ転送を行う」(Nokia社)という。

 Nokia Business Centerは,2005年第4四半期に,米大陸およびEMEA(欧州/中東/アフリカ)で販売を開始し,その他の地域でパイロット・プログラムを実施する。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,Nokia Business Centerの価格は1800ユーロ。ユーザー1人あたり30ユーロでプロフェッショナル・クライアントにアップグレードできる。

◎関連記事
米Sybase,モバイル・ソフトの米Extended Systemsを約7130万ドルで買収
W3C,モバイル機器のWebアクセスを快適にする取り組み「Mobile Web Initiative」をスタート
「米国モバイル・ワーカーは約5000万人,BtoBモバイル市場は大幅成長の見込み」,米調査
「2005年を“モバイルの年”と位置付ける」,米HPがモバイル分野の世界戦略を発表
米Sprint,米Microsoft製品で企業向けリアルタイム位置情報サービスを提供
英Vodafone,欧州全域にプッシュ型メール・サービスの拡大を計画
米MSNと英Vodafone,PC-携帯電話間のIMサービスを共同提供へ
フィンランドのNokiaと英Vodafone,モバイル向けJavaの取り組みで協力

[発表資料へ]