フィンランドのNokiaと英Vodafoneは英国時間8月26日,モバイル・サービスに関する提携を発表した。モバイル向けJava標準規格の簡素化を目指し,次世代のモバイル向けJavaサービス・アーキテクチャの仕様策定に取り組む。

 同取り組みは,Java関連の開発者コミュニティであるJava Community Process(JCP)内で活動を行う。すでにJava仕様作成要求(Java Specification Request)「JSR 248」と「同249」を提出しており,今月初めに,Java2 Platform, Micro Edition(J2ME)執行委員会が両JSRを認定した。JSR 248と同249は新たなAPIを提供するものではなく,多数の新しいコンポーネント提案により,既存仕様の簡潔化を図り,一貫したJava APIサービス・アーキテクチャを定義することが目的という。これにより,「異なるメーカーのモバイル・デバイス間で,アプリケーションの互換性を実現することができる」(両社)としている。

 同取り組みでは,コンポーネントJSRのライセンシング条件についても調整を図る。Nokia社とVodafone社は米Sun Microsystemsと協力し,ライセンシング・フレームワークを定義する。また,JSR 248と同249向けの技術互換キット(TCK)の作成およびライセンシングは,Sun社が担当する。

 同取り組みが目指すモバイル向けJavaサービス・アーキテクチャの管理フレームワークは,セキュリティの強化にも重点を置く。企業やサービス・プロバイダのプラットフォームおよびアプリケーション環境における高度なリモート管理に対応し,モバイル・デバイスへのソフトウエア・コンポーネント配信および管理を可能にする。「モバイル・ソフトウエアの保守コストを節約できるうえ,ユーザーは常に最新のアプリケーションやサービスにアクセスできる」(両社)。

 Nokia社とVodafone社によると,Sun社のほか,フランスのFrance Telecom傘下のOrange,ドイツのSiemens,ソニーとスウェーデンEricssonの合弁企業Sony Ericsson,ドイツのT-Mobile Internationalなどが,同取り組みを支持しているという。これら企業は,仕様策定のExpert Groupに参加する予定。最初の参照インプリメンテーションを,2005年に発表する計画である。

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