Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,モバイル機器からのWebアクセスを行いやすくするための取り組み「Mobile Web Initiative(MWI)」を開始する。W3Cが5月11日に明らかにしたもの。

 モバイル機器によるWebアクセスについて,W3CディレクタのTim Berners-Lee氏は「長いあいだ補助的なものとされてきた」と述べる。「MWIはモバイル機器を主要Webアクセス手段とみている。モバイルWebを快適にするために,開発者を支援する情報を提供する」(同氏)

 当初MWIは,ベスト・プラクティスとモバイル機器属性記述という2つの分野に絞って作業を進める。前者については「Mobile Web Best Practices Working Group」が,後者については「Device Description Working Group」が検討する。両ワーキング・グループの活動内容は以下の通り。

・Mobile Web Best Practices Working Group:
 Web制作時のガイドライン,チェックリスト,ベスト・プラクティスを策定し,モバイル機器上でうまく動作するWebコンテンツの開発に取り組むコンテンツ・プロバイダを支援する

・Device Description Working Group:
 コンテンツ制作者が特定デバイスにコンテンツを適合させる際に役立つ,機器属性記述データベースを開発する

 モバイル機器の利用については,Open Mobile Alliance(OMA)やThird Generation Partnership Project(3GPP)といった団体も検討を行っている。W3Cは「こうした関連組織と協調して活動する」としている。

 MWIに対し,フランスFrance Telecom,米Hewlett-Packard(HP),アイルランドMobileAware,アイルランドSegala M Test,英Vodafone,英Volantisが参加を表明した。

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