米MontaVista Softwareは米国時間9月6日に,組み込み向けOSの最新版「MontaVista Linux Professional Edition 4.0(Pro 4.0)」を発表した。Linuxカーネル2.6.10をベースにし,ハード・リアルタイム機能を強化した。すでに利用可能となっている。

 「当社のルーツは組み込み向け市場にあり,当社は顧客や開発者の厳しい要件を理解している。当社の目的は,開発者および顧客が,短期間で信頼性の高い製品を構築できるようにすることだ。Pro 4.0は,構造上の緻密な改善を施し,強力なリアルタイム技術と幅広いハードウエア・サポートを提供する」(MontaVista社マーケティング部門バイス・プレジデントのPeder Ulander氏)

 Pro 4.0のハード・リアルタイム機能は,三つのリアルタイム・モードを用意する。米メディアの報道(internetnews)によると,3種類のモードは,完全先取りカーネル設計のリアルタイム環境,MontaVista社が「デスクトップ・リアルタイム」と呼ぶ環境,そして,完全リアルタイムとなる。

そのほか,GCC 3.4.3を採用し,Native POSIX Thread Library(NPTL),X-orgベースのグラフィックス機能を備える。IPv6,MIPv6,IPSec,VLAN,USB 2.0(ホスト/デバイス)をサポートする。8プロセサ構成に対応し,10種類のプロセサ・ファミリ(32ビットおよび64ビット)をサポートする。「組み込み向け商用Linuxでは初めて64ビット『PowerPC』に対応する」(同社)

 開発環境「MontaVista DevRocket」では,Eclipse 3.0.1やCDT 2.1をベースにし,オープンソース開発ツールとの連携強化を図った。

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