米MontaVista Softwareが,Linuxベースの携帯電話機開発を省力化する取り組み「Mobilinux」を米国時間2月9日に発表した。参照アーキテクチャ,フレームワーク,ソフトウエア,ツール,ドキュメントなどを半導体メーカーやソフトウエア・ベンダーに提供して開発を支援し,携帯電話機メーカーおよびキャリアによるLinux端末導入を推進する。

 Mobilinuxでは,Linux携帯電話機用の参照アーキテクチャを用意する。MontaVista社は,世界各地のソフトウエア・ベンダーが開発した携帯電話機用ソフトウエアを同社製Linuxに移植し,さまざまなハードウエア・プラットフォーム上で動くようにする。

 MontaVista社CEOのJim Ready氏は,「携帯電話機メーカーはLinuxを,製品を差別化するとともに,複雑さが増したキャリアの求める仕様に合致させるための戦略的プラットフォームとみなしている」と述べる。「Mobilinuxのオープンなフレームワークは,さまざまなベンダーの多種多様なハードウエア/ソフトウエア部品を統合するという困難な課題の解決に役立つ」(同氏)

 当初Mobilinuxに参加するハードウエア/ソフトウエア・ベンダーは以下の通り。ACCESS,アプリックス,英ARM,米Cellon International Holding,中国COSMOBIC Technology,スイスEsmertec,中国E28,米InnoPath Software,フランスJaluna,米Openwave Systems,ノルウェーのOpera Software,米PalmSource,Pollex Mobile Software社,米RealNetworks,米SKY MobileMedia,スウェーデンTeleca,米Texas Instruments,英TTPCom。

 また,NEC,NTTドコモ,パナソニック モバイルコミュニケーションズも支援を表明している。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,携帯電話機メーカーおよびキャリアはMobilinuxに無料で参加できるが,ハードウエア/ソフトウエア・ベンダーは有料という。

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