調査内容 2008年第2四半期IT予算の分野別予算額
調査時期 2008年6月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3163件(1207件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った調査で,2008年4月~6月四半期のIT予算額を適用業務やITインフラの分野,ハード/ソフト別などで聞いたところ,適用業務8分野(その他の適用業務分野を除く)は「SCM系」の約2900万円~「会計系」の約1070万円で前回2008年3月調査(2008年1月~3月期)の約2800万円(SCM系)~約480万円(人事・給与系)からやや上昇傾向を示した。

 これに対してシステム・インフラ7分野(その他のインフラ分野を除く)は,「情報系」約1400万円~「ネットワーク系」「インターネット系」約860万円で,前四半期(運用・危機対策系の約1590万円~セキュリティー系の約730万円)とほぼ同水準に収まった。

 「新規システム開発」の予算額は前回調査より約4%増,「運用・保守開発」と「ハード購入」「ソフト購入」は前四半期の予算額と1%以内の増減でほとんど変動しなかった。「既存システムの再構築」は前回調査で前々回2007年12月調査(2007年10月~12月期)より約6割予算額がアップしていたが,今回は前四半期より約25%ダウンした。

 今回調査で平均予算額が最大だったのは,前四半期から2期連続で「SCM系」。前四半期と比較して予算額の上昇率が最も大きいのは,約2.5倍増になった「人事・給与系」(前回約480万円→今回約1200万円)。そのほか「会計系」(同約650万円→約1070万円)と「生産管理系」(同約1020万円→約1640万円)がそれぞれ約1.6倍の大きな伸びを示した。

 一方,適用業務系で平均予算額が前四半期より3割以上ダウンしたのは,前期の平均予算額が全分野中2番目に大きかった「SFA・営業系」(同約2310万円→約1590万円)のみ。物流系は前回と比較すると約15%減。「SCM系」は約4%の微増,「経営戦略系」の予算額は前期比約12%増である。

 インフラ系では,「セキュリティー」の平均予算額が前四半期の約1.3倍(同約730万円→約980万円),「情報系」が約1.1倍(同約1270万円→約1400万円)に増えた一方,「インターネット系」は前期の約6割に低下(同約1520万円→約860万円)。その他のインフラ系4分野の平均予算額は,前期比12~18%ダウンとやや減少している。インフラ系の中で比較的大きく変動した「セキュリティー」と「インターネット系」の2分野は,前々回調査の2007年10月~12月期の平均予算額がそれぞれ約970万円,約860万円で,今期の予算額は前々期の水準に戻った形だ。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく,四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合,それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが,自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」は,選択式回答(最も近いものを一つ選択)の「本四半期はゼロ」を0,「100万円未満」を50万円,「100万円以上300万円未満」を200万円,「300万円以上1000万円未満」を650万円,「1000万円以上3000万円未満」を2000万円,「3000万円以上5000万円未満」を4000万円,「5000万円以上1億円未満」を7500万円,「1億円以上3億円未満」を2億円,「3億円以上」を4億円に換算して平均した。
 分野別のITインフラ系のうち,「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」はビジネス・コンティニュイティー関連のシステムも含む。目的別のうち「運用・保守開発」は信頼性向上やコスト・ダウンのための開発を含む運用・保守,ハード/ソフト別での「ソフトウエア購入」の対象範囲はアプリケーションやミドルウエアを指す,と設問に記載している。
 なお,適用業務分野の「SFA・営業系」と「SCM」と「物流」の3分野は2007年6月調査(2007年4月~6月期),「会計」以外の適用業務分野の7分野とシステム・インフラ分野の「運用・危機対策系」と「ストレージ系」と「アプリケーション(システム)間連携基盤系」は2007年3月調査(2007年1月~3月期)で,回答数が30件未満のため四半期予算額INDEXは参考値。2007年9月調査と2008年3月調査,今回の2008年6月調査では,「その他」以外での参考値扱いの分野はない。
 調査実施時期は2008年6月中旬,調査全体の有効回答は3163件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1207件。

図●最新四半期(2008年4月~6月)の分野別IT投資予算(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲)


■変更履歴
グラフ内の目的別の部分で,既存システムの再構築(n=124)が2278.6万円,新規システム開発(n=133)が1634.2万円となっていましたが,正しくは,新規システム開発(n=124)が2278.6万円,既存システムの再構築(n=133)が1634.2万円です。お詫びして訂正します。画像データは修正済みです。 [2009/02/06 13:00]