調査内容 2007年第4四半期IT予算の分野別予算額
調査時期 2007年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2515件(1009件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った調査で,2007年10月~12月四半期のIT予算額を適用業務やITインフラの分野,ハード/ソフト別などで聞いた。

 適用業務8分野(その他の適用業務分野を除く)では,前回2007年9月調査での2007年7月~9月四半期の平均予算額が他分野の2倍以上と突出して最大(約3800万円)だった「SCM」が,今回も約3040万円で4四半期連続の3000万円台を達成(ただし2007年6月調査の2007年4月~6月期と,2007年3月調査の2007年1月~3月期は回答数が30件未満のため参考値)。

 今回,その「SCM」を抜いて適用業務8分野の四半期予算額のトップに出たのは「物流系」(約3140万円)。物流系の四半期予算額は前回2007年9月調査では平均約670万円,2006年12月調査(2006年10月~12月期)は約550万円と少なめだが,2007年6月調査(約2400万円),2007年3月調査(約3400万円)ではともに参考値ながら8分野中2位,4位と上位を占めていた。

 この「物流系」を筆頭に,今回適用業務8分野は四半期予算額2000万円以上が4分野,残り4分野も1000万円以上に達した。システム・インフラ7分野(その他のインフラ分野を除く)も,前回2007年9月調査で3分野だった1000万円以上が,今回は5分野に増えている。前期2007年7月~9月四半期ではほとんどの分野の予算額が2007年6月調査の2007年4月~6月期に比べて3割~5割低下したが,今回は2007年3月調査や2007年6月調査の2007年第1/第2四半期に近いレベルまで戻ってきた。

 「新規システム開発」は前回の約1670万円が今回約1900万円と15%弱の伸び。「既存システムの再構築」は前回の約1570万円が今回約1390万円と逆に減少している。「運用・保守開発」も約15%増(前回約1080万円→今回約1250万円)である。一方,前回2007年9月調査で前々回2007年6月調査よりそれぞれ約450万円減った「ハードウエア購入」「ソフトウエア購入」の四半期予算は,今期も回復せず,「ハード」が約680万円(前回2007年9月調査では約660万円),「ソフト」が約450万円(前回は約490万円)という低水準が続いている。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく,四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合,それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが,自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」は,選択式回答(最も近いものを一つ選択)の「本四半期はゼロ」を0,「100万円未満」を50万円,「100万円以上300万円未満」を200万円,「300万円以上1000万円未満」を650万円,「1000万円以上3000万円未満」を2000万円,「3000万円以上5000万円未満」を4000万円,「5000万円以上1億円未満」を7500万円,「1億円以上3億円未満」を2億円,「3億円以上」を4億円に換算して平均した。
 分野別のITインフラ系のうち,「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」はビジネス・コンティニュイティー関連のシステムも含む。目的別のうち「運用・保守開発」は信頼性向上やコスト・ダウンのための開発を含む運用・保守,ハード/ソフト別での「ソフトウエア購入」の対象範囲はアプリケーションやミドルウエアを指す,と設問に記載している。
 なお,適用業務分野の「SFA・営業系」と「SCM」と「物流」の3分野は2007年6月調査(2007年4月~6月期),「会計」以外の適用業務分野の7分野とシステム・インフラ分野の「運用・危機対策系」と「ストレージ系」と「アプリケーション(システム)間連携基盤系」は2007年3月調査(2007年1月~3月期)で,回答数が30件未満のため四半期予算額INDEXは参考値。2006年9月調査と2006年12月調査,2007年9月調査では参考値扱いの分野はない。
 調査実施時期は2007年12月中旬,調査全体の有効回答は2515件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1009件。

図●最新四半期(2007年10月~12月)の分野別IT投資予算(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲)