調査内容 主要インテグレーターに対する利用意向
調査時期 2007年10月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2173件(877件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスがITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2007年10月調査での,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業への「今後利用したい」(利用意向)ランキングは,富士通システムソリューションズ(Fsol,18.8%)が前回2007年7月調査の30位から急浮上して首位に立った。

 Fsolは今回の回答数が32と参考値落ち寸前で,前々回2007年4月調査では15.6%(回答数45),前回2007年7月調査では8.8%(回答数34)と,「今後利用したい」スコアに安定感はない。しかし富士通系SIerの中で,富士通エフサス(旧富士通サポート&サービス)が2007年4月調査で得た16.9%,7月調査で得た17.7%を上回り,「対象のSIerと接点がある」とした回答者を有効回答数(100%)とする現在の集計基準になって初めて,富士通系SIerで「利用したいSIer」首位に立った。

 2位は前回5位の大塚商会(前回19.1%→今回16.8%),3位は前回2位のNECフィールディング(同21.5%→16.5%),同率4位が前回も4位のリコー(同20.0%→15.4%)と前回9位の日立電子サービス(同17.1%→15.4%)。いずれも上位の座を守ったとはいえ,前回よりスコアを下げた。

 有効回答数30以上の27社(前回は34社)の「今後利用したい」率の平均値は,前回の13.5%から今回は11.2%と,昨日の記事(ベンダー編)と同じく約2ポイント下がった。前回調査と比較可能な(2回とも有効回答数30以上の)25社の中で,前回よりスコアを上げたのは5社だが,うち2社は1ポイント未満のプラスで,前述のFsolが10ポイント,日立ソフトウェアエンジニアリングが2.5ポイント,日立情報システムズが2.0ポイント上げた以外は総崩れに近い。下げ幅の最大は前回回答数36で首位を取ったNECネクサソリューションズ(前回30.6%→今回11.1%)。次いで前回10位の富士通ビジネスシステム(同16.5%→6.0%),前回6位のキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ,同18.9%→10.3%)も,大きく後退した。

 ちなみに今回,「リコー」をベンダーとSIerの両方の評価対象としてリストに含めてみたところ,「接点がある」(11月15日付け記事)と「存在感」「勢い」(11月16日付け記事)では「ベンダーとしてのリコー」が「SIerとしてのリコー」を4~7ポイントリードした。しかし「今後利用したい」率は逆転して,「SIerとしてのリコー」(15.4%)が「ベンダーとしてのリコー」(12.8%)を上回った。

 ちなみに,「職務上接点がある」という条件を外した「今後利用したいSIer」の回答票数ベスト5は,そのリコーが60票でトップ,以下大塚商会(59票),NECフィールディング(41票),日本アイ・ビー・エム・サービス(36票),キヤノンMJ(34票)の順だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業各68社について,《今後利用したい》と感じるかを聞いた。
 「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域には接点がある」とした回答者の数nを100%として,n=30以上を得たSIer27社を掲載した。ちなみに「接点がある」とした回答者の数が有効回答数(30)にわずかに届かずトップ3入りを逃したが,IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS,n=29)が20.7%の回答者から「今後利用したい」との支持を得た。IBCSは前回2007年10月調査でも,回答者数29で参考値扱いだが31.0%の支持を得ていた。
 2007年10月調査では評価対象のベンダー/SIerリストを見直した。ベンダー・リストには従来SIerに分類していたリコーと富士ゼロックスを追加したほか,TKC,PFUの2社を追加。日本NCRを2007年9月の分社に伴い,日本テラデータと日本NCR(日本テラデータを除く)の2社に入れ替え。アラクサラネットワークス,ノーテルネットワークス,アライドテレシス,応研の4社を評価対象から外し,従来ベンダーに分類していたアルプス システム インテグレーション(ALSI)をSIerに分類変更した。SIerリストからは富士ゼロックスが抜け,三菱総合研究所(旧ダイヤモンドコンピューターサービスを含む)と,従来ベンダーに分類していたALSIを追加した。評価対象企業全136社のリストは,本調査の設問の原文とともに,日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している。
 調査実施時期は2007年10月中旬,調査全体の有効回答は2173件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は877件。

図●主要システム・インテグレータ27社に対する「利用希望」(「対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上)