日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2007年4月調査での,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業への「今後利用したい」(利用意向)ランキング首位は,22.1%の支持を得た富士ゼロックス。2位は野村総合研究所,東芝ソリューション,NECソフトが0.2ポイント差(18.6%~18.8%)。次いで大塚商会,6社合併で2007年1月に設立されたばかりの日本アイ・ビー・エム・サービス(ISC-J)の順だった。

 トップのゼロックスは前回2007年1月調査でも2位だった(集計方法は若干異なる。下記の注釈を参照)。ゼロックスが得た「今後利用したい」は25票だが,内訳をみると14票(56%)が「事業所の情報システム」の担当者,11票(44%)が「ワークグループの情報システム」の担当者で,ともに「回答者プロフィール」に示した全回答者の中での比率の約2倍。全社の情報システム担当者よりも,業務現場のIT担当者からの支持でトップに立った形だ。逆に野村総研が得た「今後利用したい」の14票中13票は「全社の情報システム」の担当者だった。4位のNECソフト,5位の大塚商会の回答には目立った偏りは見られなかった。

 「今後利用したい」の回答数そのものは,大塚商会(57票)がリコー(56票)をわずかに上回りトップ。以下,NTTデータ(53票),富士通サポート&サービス(Fsas,51票),NECソフト(46票),NECフィールディング(45票)が上位を占めた。

◆注
 調査実施時期は2007年4月中旬,調査全体の有効回答は1688件,うち情報システム担当者の有効回答は783件。
 今回(2007年4月調査)の集計では,対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とした回答者の数nを100%とし,n=30以上を得たSIer37社を掲載している。
 ちなみに「接点がある」とした回答者の数が有効回答数(30)にわずかに届かなかったが,NECシステムテクノロジー(n=28)は「接点がある」とした回答者の17.9%,三井情報(n=25)は20.0%の回答者から「今後利用したい」との支持を得ていた。
 前回2007年1月調査では,回答者が,対象SIerのビジネス領域と自分の職務領域に「接点がある」とし,かつ対象SIerについて《今後利用したい》《会社に勢いがある》《強い存在感がある》のいずれかを「はい」とした回答者の数nを100%とした時の比率を使用,n=30以上を得たSIer15社を掲載した。
 前回の2007年1月調査の記事で紹介したのと同じ基準で今回の結果を集計すると,n=30以上を得たSIerは21社で,首位はやはり富士ゼロックス(n=52,40.4%)。2位以下5位まではFsas(n=97,40.2%,前回調査では33.3%),オービック(n=48,37.5%,前回調査では25.0%),日立情報システムズ(n=70,37.1%,前回調査では24.5%),NECソフト(n=86,36.0%,前回調査では31.1%)。以下NECフィールディング,富士ソフト,リコー,キヤノンマーケティングジャパン,日立電子サービスのトップ10。前回調査では「利用したい」率が38.1%で首位だった富士通ビジネスシステム(FJB)は,今回26.2%(n=61)と大きく後退した。
 また2006年10月調査の記事で紹介したのと同じ基準(「接点がある」かどうかを問わず,《今後利用したい》《会社に勢いがある》《強い存在感がある》のいずれかを「はい」とした回答者の数nを100%として集計)では,n=30以上を得たSIerが40社あり,「今後利用したい」率のトップはNECネクサソリューションズ(37.2%)。以下やや水が空いて,日商エレクトロニクス(32.3%),富士ゼロックス(32.1%),NECソフト(31.9%),富士通サポート&サービス(30.5%)までが上位5社だった。

図●主要システム・インテグレータ37社に対する「利用希望」(「対象Sierのビジネス領域と自分の職務領域に接点がある」とした回答者の中での比率,n=30以上)