米連邦巡回控訴裁判所は米国時間2008年9月24日,米Broadcomと米QUALCOMMの間で係争中の特許侵害訴訟において,カリフォルニア州サンタアナ米連邦地方裁判所が下した陪審評決と命令を支持した。また,QUALCOMMの再審請求を棄却した。

 サンタアナ連邦地裁の陪審はQUALCOMMによるBroadcom特許2件の侵害を事実と認定し,同地裁判事は両特許技術を用いたチップセットおよびソフトウエアの製造・使用・販売を即時停止するよう命令を下していた。

 両社の係争の始まりは2005年5月。Broadcomがサンタアナ連邦地裁にQUALCOMMを特許侵害で提訴した。同連邦地裁は2007年5月29日,QUALCOMMがBroadcomの携帯電話機向けベースバンド技術の特許を侵害したとの陪審評決を出し(関連記事),同年11月に損害賠償1960万ドルの支払いを命じた(関連記事)。同年12月には,問題の特許技術を用いたチップセットおよびソフトウエアの製造・使用・販売を即時停止するよう命令した(関連記事)。

 その後,サンタアナ連邦地裁は2008年8月,QUALCOMMが製造・使用・販売の停止命令に従わなかったとして,QUALCOMMに法廷侮辱罪を言い渡している(関連記事)。

 特許侵害が認められたBroadcomの米国特許は以下の通り。

【米国特許番号5,657,317】 タイトルは“Hierarchical communication system using premises, peripheral and vehicular local area networking”。1994年7月22日に申請し,1997年8月12日に成立した。50件のクレームからなる。陪審はQUALCOMMのEV-DO技術による侵害を認定した。
【米国特許番号6,389,010】 タイトルは“Hierarchical data collection network supporting packetized voice communications among wireless terminals and telephones”。1998年3月10日に申請し,2002年5月14日に成立した。7件のクレームからなる。陪審はQUALCOMMの「QChat」チップセット/ソフトウエアによる侵害を認定した。