カリフォルニア州サンタアナ米連邦地方裁判所の判事は米国時間11月21日,米Broadcomと米QUALCOMMの間で係争中の特許侵害訴訟において,QUALCOMMによる侵害の事実を認め,1960万ドルの損害賠償支払いをQUALCOMMに命じた。

 Broadcomは判事の決定を受け入れ,新たな裁判を起こさない考え。ただし,今後も特許侵害しているWCDMAおよびEV-DO方式の携帯電話機向けLSIの開発,製造,使用,販売の差し止めをQUALCOMMに命ずるよう裁判所に求めていく。

 同裁判所の陪審は2007年5月,QUALCOMMがBroadcomの携帯電話機向けベースバンド技術の特許3件を侵害したと認定し,損害賠償額を1960万ドルと算定した。この際,侵害が故意であったことから,損害賠償を2倍の3930万ドルに増額するかどうかの判断を同裁判所の判事に委ねた(関連記事:米連邦地裁の陪審, Broadcom特許に対するQUALCOMMの侵害を認定)。

 判事のJames V. Selna氏は8月,陪審の判断に沿って特許侵害と3930万ドルの損害賠償を認めた。ところがその後,米連邦法の“故意”に関する扱いが変更されたことを受け,Selna氏は改めて検討を行い,損害賠償を1960万ドルに戻した。

[発表資料(QUALCOMM)]
[発表資料(Broadcom)]