米Microsoftと米SanDiskは,USBフラッシュ・ドライブおよびフラッシュ・メモリー・カード向け標準仕様「U3 Smart Technology」の機能拡張で協力する。両社が米国時間5月11日に明らかにしたもの。新たな技術仕様や対応製品は,2008年下半期より利用可能になると見込む。

 U3は,USBフラッシュ・ドライブなどにアプリケーションとデータを格納して作動させるためのオープンな標準仕様。米SanDiskと米m-systemsを中心にソフトウエア・ベンダーやコンテンツ・プロバイダが同名の業界団体U3を設立して策定した。ハードウエア開発キット(HDK),ソフトウエア開発キット(SDK),U3対応システム・ソフトウエアを提供する(関連記事その1その2その3)。

 既に「Firefox」「Thunderbird」「Skype」がU3に対応している。

 MicrosoftとSanDiskは既存のU3仕様を強化し,アプリケーションおよびデータに加え,ユーザー個人の設定やユーザー・インタフェースなどをUSBフラッシュ・ドライブ/フラッシュ・メモリー・カードに格納可能とする。SanDiskのセキュリティ技術「TrustedFlash」に対応し,データ暗号化なども行える。これにより,他者とパソコンを共有する際も,個人情報を残す心配なしに自分の環境を使用できるという。利用可能なOSは,Windows XPとWindows Vista。

 U3仕様強化に向け,Microsoftがソフトウエア,SanDiskがハードウエアの開発を行う。両社は他社に仕様や特許をライセンス供与し,収益を分配する。なお,U3の技術は,SanDiskとm-systemsが共同で設立した合同会社U3 LLCが開発したが,SanDiskが2006年11月にm-systemsを買収した結果,現在U3 LLCはSanDiskの100%子会社となっている。

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