アビーム コンサルティング
プロセス&テクノロジー事業部 マネージャー
小宮 伸一

 本連載では、情報システム部門(IT部門)が「IFRS(国際会計基準)対策」を受動的にではなく、能動的に進めるにはどうすべきなのかを中心に解説している。

 第1回(能動的なIFRS対策の必要性)と第2回(IFRSがアプリケーションに与える影響)では、情報システム視点からのIFRS対策の概要を説明した。続く第3回(IFRSによる業務系アプリケーションへの影響(上))と第4回(同(下))では、主要な業務系アプリケーションごとにIFRS対策について解説した。

 今回と次回は、会計系アプリケーションと経営情報系アプリケーションを取り上げることにしたい。

会計系/経営情報系アプリケーションの範囲

 本連載で会計系アプリケーションとは、財務会計、固定資産管理、原価計算、連結会計といったシステムを指す。一方、経営情報系アプリケーションとは、経営計画や経営管理のシステムを指す(図1)。

図1●情報システムモデル
図1●情報システムモデル
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 前々回と前回で説明した業務系アプリケーションと同様に、会計系や経営管理系のアプリケーションの名称や範囲は、会社や業種によってかなり異なる。図1に示したシステム別の主要機能を手掛かりにして、皆さんの会社のシステムに当てはめていただきたい。今回はこの中で財務会計システムについて説明する。