アビーム コンサルティング
プロセス&テクノロジー事業部 マネージャー
小宮 伸一

 本連載では、情報システム部門(IT部門)が「IFRS(国際会計基準)対策」を受動的にではなく、能動的に進めるにはどうすべきなのかを中心に解説している。前々回(能動的なIFRS対策の必要性)と前回(IFRSがアプリケーションに与える影響)は情報システム視点からのIFRS対策の概要を説明した。

 今回からは、個別アプリケーションごとのIFRS対策について解説する。今回と次回では業務系アプリケーションを取り上げる。

業務系アプリケーションの範囲

 本連載における業務系アプリケーションは、研究開発や購買、生産、物流、販売、アフターサービスといった、バリューチェーンに対応した現業部門業務の支援システムを指す(図1)。

図1●情報システムモデル
図1●情報システムモデル
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 個別アプリケーションの名称や守備範囲は、会社や業種によってかなり異なる。図中のシステム別の主要機能を手がかりとして、読者の皆さんの会社にあてはめて頂きたい。

 今回はこの中で販売管理システムと購買管理システムに対する影響と対策について説明する。