「ITトレンド」サイトで、特にお薦めの記事は3つある。公取委・JASRAC対決、改正薬事法のネット通販規制、B-CAS廃止論について、それぞれ取り上げた問題作だ。

 技術動向解説では、モバイル端末を中心とした次世代ユーザー・インタフェースの米国取材記事がお薦め。取材ビデオ10本を使い、字幕付きで具体的に解説した力作だ。このほか、Twitter体験談やUstream本社訪問記、そして係争中に単独取材に応じた「沈黙を破ったホリエモン、ITを語る」がお薦めである。

「いったい、どうなってるんだこの国は」

 いったい、どうなってるんだこの国は---。こうした疑問を抱くことは、IT分野でもたびたびある。なかでも著作権や法規制にかかわる事柄で、首をかしげることが多い。そこで、とっておきの社会派問題作3本を紹介しよう。

●JASRAC排除命令の深層(全5回)

 他の著作権管理事業者との競争を阻害しているとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)に独占禁止法違反で排除措置命令を行った公正取引委員会。「公取委の事実誤認」として不服を申し立てるJASRAC。意見が食い違う両者と、その背後にはどのような問題があるのか。この記事では、両者、監督官庁、有識者へのインタビューをもとに深層を探っている(関連記事)。

●コンビニOK、ネットNGの怪! 薬販売にネット規制の網(全5回)

 厚生労働省が2009年6月に施行した「薬事法の一部を改正する法律」により、安全確保のための対面販売の原則を理由に、第1類医薬品と第2類医薬品の通信販売が、へき地と継続使用を除いて禁止された。これに対し、ECサイトやショッピング・モール運営事業者から反発の声が相次いだ(関連記事)。なぜ、規制緩和が進むはずの改正薬事法で、ネット販売に規制がかけられたのか。この記事では、施行前にいち早く当事者たちに話を聞いた。

●地デジ本来の魅力を阻害するB-CASは廃止すべし

 特にネット上で批判の声が多いデジタル放送の限定受信システム「B-CAS」。当事者であるビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)の浦崎宏社長、NHK担当者の主張を掲載したところ(関連記事1関連記事2)、経済学者でアルファブロガーの池田信夫氏が、自身のブログで痛烈な批判を展開するエントリーを複数掲載した。そこで、この記事では元NHKでB-CAS問題に詳しい池田氏に話を聞いている。