ネットワークは数々のネットワーク機器によって形作られている。例えば,「LAN スイッチ」,「ルーター」,「レイヤー3スイッチ」などは,ネットワークにかかわる人なら目にした機会があるだろう。ネットワークには,これらのほかにもさまざまな機器がつながっている。見た目はどれも同じような「箱」だが,それぞれの機器が独自の役割を果たしており,しくみもさまざま。こうした機器が適材適所で動いているのが現在のネットワークというわけだ。
主要なネット機器を制覇しよう!
ネットワークのしくみを勉強したいと思ったとき,こうしたネットワーク機器のそれぞれが,どこでどのようにして使われているのかを知るのが一つの手である。そして,それぞれの機器同士がどのようにつながっているのかを確認することで,ネットワークの全体像が見えてくる。
そこで本特集では,現在のネットワークに欠かせないネットワーク機器を一堂に集め,それぞれのジャンルごとに役割やしくみを見ていく。全ジャンルの機器の役割やしくみが理解できれば,ネットワーク全体のしくみも見えてくるだろう。
また,実際にネットワークを設計したり構築する際は,ネットワークのどの場所にどんな機器を配置するとどのような効果があるのかといった知識が必要になる。主要な機器の役割やしくみを知っておけば,こうした場面でも迷うことなく対処できる。
ネットワーク機器の世界は,新しい製品が次々と登場するうえ,それぞれの製品の進化が速いのが特徴である。そのため,役割が変わりつつある機器や,呼び名を変えて他のジャンルへ統合されている製品もある。
最新ジャンルをピックアップ
例えば,ファイアウォールは今も昔もネットワークに欠かせない機器だ。ところが今では,ファイアウォール機能だけを持った機器は市場から姿を消し,さまざまなセキュリティ機能を併せ持つ「UTM」(統合脅威管理)と呼ばれる製品ジャンルに吸収されている。こうした動きは,今後もさまざまな製品ジャンルであるだろう。
本特集では,最新の製品ジャンルに対応してネットワーク機器を分類したうえで,それぞれの製品ジャンルごとの動向や最新機能などのトレンドも踏まえて解説していく。ネットワーク管理者が機器を購入するにあたって最新動向を把握する際の参考にするとよいだろう。
LANスイッチ:社内セキュリティで注目度アップ
ルーター:企業向け製品は機能が多彩
レイヤー3スイッチ:1台2役を果たす社内ネットの中核
UTM(統合脅威管理):忙しくなった“ネットの門番”
無線LANアクセス・ポイント:通信速度や使い勝手が向上中
無線LANスイッチ:無線LANの“面展開”に必須の1台
アプリケーション・スイッチ:負荷分散装置が進化した機器
Webアプリケーション・ファイアウォール:サイトの改ざん/情報漏えいを防ぐ
WAN高速化装置:拠点間のスループットを数倍に
VoIPゲートウエイ/IP電話機:音声信号をIPパケットに変換
サーバー・アプライアンス,ストレージ・スイッチ,回線暗号化装置
PLCアダプタ,ハブ/タップ