PLCアダプタ

 PLCアダプタは,LANケーブルの代わりに電力線(電灯線)を使って通信する「電力線通信」を実現するための機器である。LANケーブルの配線が難しい場所や,無線LANの電波が届きにくい場所でもイーサネットによる通信を可能にする。

 PLCアダプタはLANのポートと電源ケーブルを備えており,一方をパソコンなどのネットワーク機器に,もう一方をコンセントにつなぐ。PLCアダプタをつないだパソコンがデータを送ると,そのデータがPLCモデムから電力線を経由して相手先のPLCモデムに伝わり,再びLANケーブル経由で相手先のネットワーク機器に届けられる。

 PLCにはいくつかの方式があるが,それぞれの方式に互換性はない。そのため実際に利用するときには,同じ方式を採用しているPCLアダプタをペアで使う必要がある。

 企業向けの製品は,複数のPCLアダプタを制御する機能や,PLCの信号を増幅して中継する機能,ネットワーク管理機能などを備える。

ハブ/タップ

 ハブは,入力用ポートに入ってきたイーサネットのフレームを単純にすべてのポートに中継する機器である。「リピータ・ハブ」とも呼ばれている。

 回線の利用効率が良くないため,リピータ・ハブを使う機会は少なくなった。しかし,データをそのまま他のポートにコピーするという特性から,トラブル・シューティング時のパケット・キャプチャや,LANを流れるすべてのデータをIDS/IPS装置やフォレンジック装置といった監視装置へ送る用途で使われている。

 タップは,特定のトラフィックをコピーして他のポートに分岐するための専用装置で,メンテナンス用などに利用する。同様のことは,ハブやLANスイッチのポート・ミラーリング機能を使ってもできるが,データ量が多いとデータを取りこぼすことがあったり,エラー・フレームをコピーできなかったりする。タップを使うと,他の機器に影響を与えることなく送受信トラフィックを完全にコピーできる。