コンピュータの歴史を振り返って見ると,分散と集中を繰り返してきたことが分かる。
 メインフレーム時代には,データの処理と保存はすべてセンター側で行っていた。そこにつながっていたのは文字通り「端末」で,入力と結果の表示だけを担当していた。
 これがクライアント-サーバーに取って代わられた。パソコンの高性能化とLANの普及により,データの処理をクライアントが担当するようになった。
 しかしクライアント-サーバーは保守/運用上で問題があった。そこで普及したのが現在主流のイントラネットである。Webサーバーがアプリケーションを配信しWebブラウザがHTMLを解釈して表示する。形態的にはメインフレーム時代に戻った形だ。
 では今後も分散,集中を繰り返していくかといえば,そうではない。これからやってくるコンピューティング環境を考えたとき,もはや集中か,分散かという議論は成り立たなくなる。すべてが集中し,すべてが分散している――言ってしまえば“超分散”の時代がやってくるのだ。