22:広がる無線LAN、自販機で無料アクセス

 無線LANの利用シーンが広がる中、これまでに無かった分野で、無線LANサービスが見られるようになってきた。その一つが飲料水の自販機を無料の公衆無線LANサービスエリアとする動きだ。アサヒ飲料では2011年末から自販機の無料無線LANサービスを提供(写真3)。初年度1000台設置、5年以内に1万台超の規模拡大を目指している。

写真3●アサヒ飲料が展開する無線LAN対応自動販売機
写真3●アサヒ飲料が展開する無線LAN対応自動販売機
無線LANサービスは名古屋の自動販売機運営事業者タケショウが提供。今年中に1000台の導入を計画している。

 実はこの仕組みを運営、提供しているのは、名古屋の自販機管理事業者であるタケショウである。「自販機業界は競争が激しく、付加価値を考える中で無料の無線LANサービスの提供を思いついた」(タケショウ フリーモバイル事業部の岩下雅樹部長)。同社では電気通信事業者としてFREEMOBILEという公衆無線LANサービスを提供するほか、自社開発の無線LANルーターを含めて、一括してサービスの提供・運用を請け負う。

 この自販機向け無線LANサービスのエントランス回線にはイー・アクセスの無線回線を利用。実際、無線LANを搭載した自販機には、多い場所で1日に数十人のアクセスがあるという。

23:コードレス電話による干渉は解消へ

 IMSバンドである2.4GHz帯は、医療機器やBluetoothをはじめとする様々な機器で自由に使える。このため2.4GHz帯の無線LANは、APのほか多くの機器が発する電波の干渉を受ける。電子レンジやコードレス電話、Bluetoothマウス、さらにはサラウンドスピーカーが干渉源となる場合もある。

 そんな2.4GHz帯の干渉源の一つであるコードレス電話だが、干渉源の問題が解消に向かっている。2010年に総務省がデジタルコードレス電話の技術基準を改正したことで、1.9GHz帯を使う「DECT」方式を使ったコードレス電話機が広がりつつあるからだ(写真4)。

写真4●コードレス電話が2.4GHz帯の干渉源の一つだったことは過去の話に
写真4●コードレス電話が2.4GHz帯の干渉源の一つだったことは過去の話に
最近のコードレス電話では1.9GHz帯のDECTを利用した機種が大半になっているという。

 DECTとは、PHSに似たTDD方式のデジタルコードレス規格であり、欧州では広く普及している。DECT方式のコードレス電話を発売するパナソニックによると、新製品の大半の機種は既にDECT方式に切り替わっているという。

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