「もっとも成功した無線規格」と言われる無線LAN。そんな無線LANを取り巻く状況が、昨今一変しつつある。

 まずは公衆無線LANサービスの急拡大だ。トラフィック増大対策として携帯電話事業者が無線LANスポットを10万カ所以上に拡充した結果、都心ではあらゆる場所で無線LANの利用が可能になった。無線LANオフロードは、無線LANが携帯電話網が担っていた分野に進出することに他ならない。

 無線LAN規格自体も大きな変ぼうを遂げつつある。これまでの技術の進歩は高速化が中心だったが、数GビットクラスのIEEE 802.11acが登場したことで、高速化は一段落。IEEEやWi-Fiアライアンスといった標準化団体や業界団体は、高機能化や長距離化、さらに家電機器間通信やスマートグリッドなど用途の多様化へと舵を切っている。あらゆるデバイスを結ぶ通信の中心に無線LANが位置しようとしているのだ。

 本特集では、「公衆無線LANサービス」「次世代技術」「標準化・制度」「企業ネットワーク」「新潮流」の5分野から「25の新常識」を取り上げ、これからの無線LANの姿を見ていく。

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