法人事業に力を入れる米デルテクノロジーズ(Dell Technologies)が、日本でサイバー攻撃対策ソリューションを強化する。デル日本法人は2019年6月6日、米クラウドストライク(CrowdStrike)と米セキュアワークス(SecureWorks)のセキュリティーベンダー2社と協業し、両社の製品やサービスを組み合わせたソリューション「Dell SafeGuard and Response」の提供を日本で始めたと発表した。

 2社の製品はどちらも大企業や政府機関を狙った標的型攻撃の対策に向くが、セキュアワークスは企業ネットワーク全体を俯瞰(ふかん)した脅威分析、クラウドストライクはクライアント端末におけるAI(人工知能)などを使った高度な脅威検知を得意とするなど、補完関係にある。2社製品の組み合わせでサイバー攻撃の封じ込めまで対応できるソリューションとして売り込み、セキュリティー分野でも「Dell」ブランドの認知度を高める狙いだ。

協業を発表したデル日本法人の田中源太郎クライアントソリューションズ統括本部クライアント製品マーケティング本部長(中央)ら3社の代表
協業を発表したデル日本法人の田中源太郎クライアントソリューションズ統括本部クライアント製品マーケティング本部長(中央)ら3社の代表
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「サプライチェーン攻撃」対策が重要に

 デルテクノロジーズ(当時は米デル)は2011年にセキュアワークスを買収して以降、サーバー部門などによる販売活動で協力関係を築いてきた。ただし、サイバー攻撃対策の最新手法に対応するにはエンドポイントでの検知強化が不可欠であり、クラウドストライクとの提携を決めた。

 デルは今回のソリューションで「従業員1000人以上の大企業」(日本法人の田中源太郎クライアントソリューションズ統括本部クライアント製品マーケティング本部長)を狙う。デルのほか、米Dell EMCの日本法人でストレージ製品を扱うEMCジャパンも今回のソリューションを販売するなど、デルグループを挙げて日本での市場開拓に動く。

 3社の協業は、米国では2019年1月にデルテクノロジーズが発表済み。サービスの販売も始まっているが、日本市場では別の商機がある。サイバー攻撃対策が欧米に比べて遅れていることと、2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えることだ。

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