インターネットイニシアティブ(IIJ)は2019年7月4日、記者説明会を開き、eSIMに対応した個人向けデータ通信サービスのベータ版を発表した(写真1)。7月18日より提供を開始する。
物理的なSIMカードなしで通信サービスを提供
説明会にはIIJ MVNO事業部コンシューマサービス部長の亀井正浩氏が登壇(写真2)。物理的なSIMカードと機器に組み込まれるeSIMの違いについて、「SIMカードには固有の番号である加入者識別子が記録されている。eSIMでは機器に組み込まれるハードの部分と、ダウンロードで追加できるデータの部分に分離される」と紹介した(写真3)。
eSIMを採用するメリットとして、物理的なカードの交換が不要になること、ナノやマイクロなどSIMの形状から解放されること、カードの配送が不要になりダウンロードによるサービス提供が可能なこと、カードの盗難リスクがなくなることを挙げた。
IIJは2018年に始めたフルMVNOサービスの下でeSIMプラットフォームを構築し、検証を進めてきた。そして今回、個人向けのeSIMサービスとして発表したのが「IIJmioモバイルサービス ライトスタートプラン(eSIMベータ版)」になる(写真4)。
新サービスは月額利用料が1520円(税別)のポストペイド。データ容量は6ギガバイトのみで、翌月への繰り越しが可能だ。データ通信専用で音声通話やSMSには対応しない。容量のシェアやSIMカードの追加ができないなどIIJmioの一部機能に対応しないものの、通信サービス自体に既存SIMとの差はないという。
利用までの手順はこうだ。ユーザーが新サービスの契約を申し込むと、IIJがQRコードを発行。PCの画面表示や紙に印刷したQRコードを対応端末で読み取り、Wi-Fi経由でプロファイルをダウンロードすることで有効になる(写真5)。1台の端末にはIIJや海外キャリアを含む複数のeSIMサービスを追加できるという。