英ラズベリーパイ財団(Raspberry Pi Foundation)は2019年6月24日、小型コンピューター「Raspberry Pi(ラズパイ)」の新型である「Raspberry Pi 4 Model B(以下、ラズパイ4)」を発表した。CPUやメモリー容量を増強し、性能を高めたのが特徴。価格は35米ドルから。
CPUには1.5GHz動作、4コアの「ARM Cortex-A72」を搭載し、従来の3倍以上の性能を持つという。また、従来のラズパイはメモリー容量が1Gバイトだったのに対し、ラズパイ4はメモリー容量が1Gバイト、2Gバイト、4Gバイトの3種類のモデルを用意する。
ネットワーク性能も強化した。従来製品「Raspberry Pi 3 Model B+」は有線LANが1Gビット/秒に対応しているものの、内部構造の制限で実効速度が300Mビット/秒に抑えられていた。ラズパイ4にはこうした制限はなく、1Gビット/秒の速度が出るという。
4個のUSBポートのうち、2個はUSB 3.0に対応する。ディスプレーインターフェースは、従来はHDMIポートが1個だったが、ラズパイ4は2個のmicro HDMIポートを搭載。デュアルディスプレー構成が可能になっている。電源端子は従来はmicro USBだったが、ラズパイ4ではUSB Type-Cになった。
性能が向上したことから、発熱も増えていると考えられる。このため、サードパーティーからはラズパイ4用の冷却電動ファンが登場している。ラズパイ用製品を販売する英ピモロニ(Pimoroni)は、ラズパイ4用の冷却電動ファン「Fan SHIM for Raspberry Pi」を発売した。
ファンの電源は、ラズパイ4の基板上にあるコネクターから供給する。ファンの動作はソフトウエアで制御可能。CPUが一定の温度に達したらファンをオンにするといったことができる。