米Microsoftは2月20日,次期版Officeである「Office 2003(開発コード名Office 11)」のベータ2版を,開発者支援プログラム「MSDN(Microsoft Developer Network)」の購読者向けサイトに一時的に公開した(訳注:次期版Officeの正式な製品名は発表されていないが,公開されたベータ2にこの表記があったと思われる。以下,Officeに含まれる各アプリケーション名も同じ)。Officeファミリの中核ソフトであるWordやExcelなどに加え,Office 2003で新しく加わる電子ノート・ソフト「OneNote 2003(開発コード名Scribbler)」とXMLデータソースへのアクセス・ツール「InfoPath 2003(開発コード名XDocs)」,さらにFrontPage 2003,Publisher 2003,SharePoint Portal Server 2003も含まれていた(関連記事1関連記事2)。

 しかし今回の公開は手違いだったようだ。公開から数時間後,Microsoftはまだベータ2をリリースする準備が整っていないとして,コードをダウンロード・サイトから削除した。ベータ2の完成から1週間以上たっているのに,まだベータ・テスターの手に渡らないというのは問題だ。

 「このベータ版に最大限のエクスペリエンスを盛り込むため,必要なものを確実にそろえてから公開したい」とMicrosoftの担当者は話している。MicrosoftはOffice 2003のベータ2を広く配布する考えで,最終的には一般ユーザーも含めたオープンなプレビュー・プログラムを実施することになるだろう。既に伝えた通り,Microsoftは企業内の「インフォメーション・ワーカー」を対象とした「iWave」キャンペーンの一環としてOffice 2003のマーケティングを展開することになる(該当記事)。

 今回,「手違いで」公開されたベータ2の使用感は,少し使ってみただけでもベータ1に比べて成熟した感じを受ける。ツールバーのアイコンや全体的な見た目は,どのアプリケーションも洗練され,劇的に向上している。また,アクセス権限の設定機能が新たに加わり,文書と電子メールのアクセス権限をWindowsのWRM(Windows Rights Management)システムで管理できるようになった。例えば,電子メールを送るとき受取人がそのメールを第三者に転送できないようにしたり,クリップボードへのコピーや印刷ができないように設定できる。Outlookにはスパムを取り除く新機能が含まれているが,残念ながらIMAP(Internet Message Access Protocol)やWebベースのメール・アカウントについては効果がないようだ。OneNoteは動作が十分に安定し,実際の業務でノート取りに利用してみようと思える完成度になっている。