ITに関する調査やコンサルティング・サービスを手がける米Gartnerは5月8日,企業が使うWindowsプラットフォームの移行プランに関して,時期やバージョンなど具体的に踏み込んだ提言を発表した。

 これは同社が米国デンバーで開催したシンポジウム「Gartner Spring Symposium/ITxpo 2001」の講演の中で行ったもの。提言の内容は「2004年末までに企業は,デスクトップPCをすべてWindows XPやWindows 2000など,Windows 2000の技術をベースにしたものに全面移行すべき」という趣旨からなる(該当サイト)。

 同社のアナリストによると,移行の際,Windows XPで統一する必要はないが,企業がWindows 2000の技術をベースにしたPCに移行せざるを得ないことに疑問の余地はないという。

 その根拠として「Microsoftは2003年6月30日でWindows 98とWindows NT 4.0のサポートをうち切る」と予想し,それまでに重要なアプリケーションの移植を済ませておくべきとする。その上で全面的な移行の期限として2004年末を推奨するという。

 移行プランの例としては,2002年にWindows 2000 Professionalへの移行を計画し始める企業は,それをスキップして次期版であるWindows XPの展開を計画するなどを挙げている。

 現在,MicrosoftのOS製品には,Windows 95/98/MeのようにMS-DOSから発展してきた系列と,Windows NT/2000のように企業向けに開発された系列がある。Microsoftは,既にWindows 95系列のOSの開発を打ち切り,Windows NT/2000をベースに次期OS製品Windows XPの開発を進めている。Gartnerの発表には,こうした状況を背景に,移行コンサルティング・ビジネスを進めたいとの思惑も見えるが,「2004年末」と明確に移行の期限を断定したところが注目できる。

(干場 一彦=日経Windows 2000)

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