米Forrester Researchは,大手ベンダーが提供するクライアント向けセキュリティ・スイート製品を調査した結果を米国時間8月17日に発表した。その結果,米McAfeeの製品がもっとも包括的なセキュリティ・スイートとして評価された。

 調査の対象になったクライアント・セキュリティ・スイートは,ウイルス/スパイウエア対策,パーソナル・ファイアウオール,ホスト侵入防止システム(HIPS)といったコンポーネントを提供するもの。今回の調査では,売上高が5億ドルを超え,既知の脅威への対策,すべての製品を一元管理できる機能を備えたスイートが対象となった。

 Forrester社は既知の脅威に対するセキュリティ・ツール,統合アーキテクチャ,管理性,範囲といった重要な機能面の評価を行った。その結果,McAfee社のスイートは,HIPS機能をまだ完全に統合していないが,それぞれのカテゴリで評価が高かった。

 米Symantecのスイートは,強力なスパイウエア検出機能と管理機能を提供していると評価された。コンソール,アラート,エラー,通知メッセージは,企業のニーズに合わせてカスタマイズできるが,スイートに統合されたHIPS機能が限られていた。

 米Trend Microのスイートは,統合アーキテクチャが優れていた。Webベースの管理コンソールにより,管理者がリモートから製品の管理が可能になっている。米Computer Associatesの製品は,既知の脅威に対してもっとも強力な対策を提供しているとして評価された。

 アナリストのNatalie Lambert氏は,「社員のモバイル化が進んでいるため,もはやアンチウイルスと境界線における防御策だけでは,悪質なコードに対して十分な対策となっていない。大手ベンダーが主要エリアにおける機能強化を図っているため,市場は迅速にクライアント向けセキュリティ・スイートに移行することが予想される」とコメントしている。

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