米VeriSignは,米国内の3つの大学で同社の無線IP接続サービス「VeriSign Wireless IP Connect Service」の試験運用を開始する。同社が米国時間8月16日に明らかにした。

 同サービスは,単一の携帯端末と電話番号により大学構内では既存のWi-Fiネットワークを利用して通話またはデータ通信を行い,キャンパスを離れるときには,シームレスに商用携帯電話サービスに切り替えられるというもの。試験運用は,ミシガン大学(University of Michigan),ノースウエスタン大学(Northwestern University),テキサスA&M大学(Texas A&M)で実施される。

 同サービスでは,携帯電話とWi-Fiの相互接続ポイントを提供する。そのため,異なるネットワークにおける相互接続性の問題を解消することができるという。携帯端末がWi-Fi信号の近くにあるときにはInternet Protocolデバイスとして登録されるため,ユーザーは,費用効率が高いVoIP通話の送受信が可能になる。

 大学は,既存のVoIPネットワークを携帯端末でも利用できるように拡張することにより,増大する音声とデータのトラフィックを処理できる単一のネットワークを作成できるという。

 現在,同サービスは,評価とテスト目的で消費者に提供されている。商用提供の時期や価格などの詳細は明らかにされていない。

 また,同社は同日,米国の教育関連団体EDUCAUSEの会員に対して,同社のPKIサービスをディスカウントして提供する新しいプログラムを発表している。会員は,EducauseのID管理サービス・プログラム「Identity Management Services Program(IMSP)」を通じて同サービスを割り引き価格で利用できるようになるという。

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