米Infonetics Researchは,Wi-Fi VoIP端末の世界市場に関する調査結果を英国時間2月8日に発表した。それによると,2004年の世界売上高は4500万ドルで,出荷台数は11万3000台となった。「企業でスローペースながら着実に無線VoIPの導入が進むため,2009年まで堅調な伸びをみせるだろう」(同社)

 Wi-Fi/セルラー対応のデュアル携帯電話は,2004年の世界売上高が660万ドルで,出荷台数は8000台を超えた。同携帯電話は2004年第4四半期に登場したばかりで,2009年まで大幅に成長する見込み。

 Wi-Fi VoIP端末の市場は今のところ小規模だが,今後は企業市場と消費者市場で拡大が見込める。企業市場では,特にロジスティックスやヘルスケアなどでVoWLANが勢いづいている上,VoIPと無線LANの導入が引き続き進むことから,いっそう大幅に成長する。

 消費者市場では,ブロードバンド・サービス・プロバイダがVoIPサービスと無線ゲートウエイの両方をブロードバンド接続とバンドル提供しているため,Wi-Fi VoIP端末の爆発的な普及につながる可能性がある。

 さらに,価格が下がれば,Wi-Fi/セルラー対応のデュアル携帯電話が市場に出回り,企業ユーザーや消費者が,家庭内の無線LAN,企業の無線LAN,および公共のWi-Fiホットスポットをローミングできるようになるという。

 「Wi-Fiは,ノート・パソコンで標準機能となりつつあるが,最終的には携帯電話でも標準装備するようになるだろう」(Infonetics Research社のRichard Webb氏)

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