米EMCが,ネットワーク対応ストレージ製品系列「EMC CLARiiON」を拡充し,ファイバ・チャネルまたはiSCSI対応の新モデル「EMC CLARiiON CX300-s」「同CX500-s」「同CX700-s」を米国時間8月3日に発表した。新モデルは,新しいストレージ接続/診断技術「UltraPoint Technology」や仮想化技術「Virtual LUN Technology」を採用している。

 UltraPointは,ハードウエアとソフトウエアを組み合わせた技術で,各ハード・ディスク装置に対するポイント・ツー・ポイント接続が行える。診断機能も備えており,最高レベルの信頼性と可用性を実現できるという。「既存のCLARiiON CX製品系列のモデルとの互換性もあるので,これまでの投資を無駄にしないで済む」(EMC社)

 新モデルは,仮想論理ユニット番号を使用可能とするVirtual LUN Technologyも導入した。これにより,CLARiiON CXシステムの内部で,アプリケーションに影響を与えることなくデータ・ボリュームをオンライン中に移動できるようになる。

 CX300/CX500/CX700のファイバ・チャネル・モデルは,DC電源の内蔵が可能。この電源は,Network Equipment Building System(NEBS)Level 3およびEuropean Telecommunications Standards Institute(ETSI)EN 300 386の認定を受けている。

 UltraPoint Technologyは9月に利用可能とする。なお同じく9月に,米Dellが同技術を「Dell-EMC」ブランドで「Dell-EMC CLARiiON AX」「同CX」製品系列に加える。

 またEMC社は同日,ディスク・ライブラリ製品系列「EMC CLARiiON Disk Library(CDL)」の新モデル「EMC CLARiiON DL310」「同DL710」「同DL720」「同DL740」を発表した。8月に利用可能とする。

 テープ・ライブラリ装置のエミュレーション機能を備え,経済的なATAハード・ディスク装置を使用できるという。最大記憶容量は,DL740が348Tバイト,DL720が174Tバイト,DL710が174Tバイト,DL310が37.5Tバイト。

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[発表資料(EMC CLARiiON CX300-s/CX500-s/CX700-sなど)]
[発表資料(EMC CLARiiON DL310/DL710/DL720/DL740)]