米IDCが,世界ディスク・ストレージ市場に関する調査結果を米国時間7月6日に発表した。それによると,2004年における売上高は226億ドルで,2009年には263億ドルに拡大するという。IDCは「ディスク・ストレージ市場の将来は明るく,多様な差別化の機会があり,さまざまな分野で多くのベンダーが成長する」とみている。

 Tバイト・クラスの外付けディスク・ストレージの出荷台数は,2004~2009年に年平均60%弱で成長するとみる。それに対し同クラスの内蔵ディスク・ストレージは勢いが鈍く,同期間の年平均成長率は37%となる見込み。

 同市場が拡大する主要因として,IDCは(1)ストレージおよびサーバーの仮想化,(2)世界各地の法規制に対する順守,(3)低コストで管理の容易な階層化ストレージ環境の発展を挙げる。「この状況は,今後数年にわたって同市場の成長を継続させる。ストレージ業界は顧客のニーズにうまく対応している」(IDCストレージ調査担当ディレクタのDave Reinsel氏)

 ただし同氏は,「ストレージ分野には,データ保護戦略やデータ移行ツール,技術の変化など,注意の必要な問題が残っている」と指摘する。「こうした問題は,既存の大手ベンダーに差別化のきっかけを与え,小規模ベンダーには特定市場の要件に対応した製品提供の機会をもたらす」(同氏)

◎関連記事
「HDD世界市場,2004~2009年の成長を牽引するのは民生電子機器市場」,米IDCの調査
「ECBディスク・ストレージ,2005年Q1の成長を米Dellと米NetAppがけん引」,米調査
「2005年Q1の外付けディスク・ストレージ世界市場,前年同期比6.7%増」,米IDC
「2004年Q4の外付けディスク・ストレージ世界市場,前年同期比1%の微増」,米IDC
ストレージ仮想化技術で遅れをとるEMC
「CSOの約9割が,データ損失などに対して最小限の準備しかしていない」,米調査
「企業のコンプライアンス関連費用,2005年は155億ドルに」,米調査
「多国籍企業の51%が,コンプライアンス関連支出を今後2年間で23%拡大」,米PwCの調査

[発表資料へ]