米EMCが,新型ハイエンド・ストレージ・アレイ「Symmetrix DMX-3」を米国時間7月25日に発表した。記憶容量は最大1Pバイトあり,「世界で最も大容量かつ高速で,拡張性に優れたストレージ・システム」(EMC社)。

 Symmetrix DMX-3は,現時点で最大960台のハード・ディスク装置(HDD)を搭載できる。2006年前半にはこれを最大1920台に,2006年末には2000台以上に増やす予定という。同社は「複数ある既存のストレージ・プラットフォームを単一システムに統合でき,必要に応じて規模を拡大可能な経済性を備える」と説明する。

 「Direct Matrix(MMX)Architecture」を採用しており,チャネル/メモリー/ディスク・ディレクタを追加すればほぼ比例して処理性能も向上するという。1個のシステム・ベイと複数のストレージ・ベイを備える。各ベイの電源は独立しており,電源容量の拡張やバックアップ用バッテリの利用が可能。

 記憶容量の拡大は,ストレージ・ベイやHDDを追加すれば済む。処理能力の強化も,システム動作中にディレクタ・ボードを追加導入すればよい。

 当初提供するSymmetrix DMX-3は,Fiber Connection(FICON)インタフェース対応の米IBM製メインフレーム(OSはzOS)のほか,iSCSIまたはファイバ・チャネル(FC)が利用可能なAIX,HP/UX,Linux,Solaris,Windowsシステムに対応する。直ちに受注を開始し,9月に出荷を始める。

 対応OSとインタフェースは,2005年終盤から2006年初頭にかけて順次拡充していく。2006年の早い時期に低コストFC(LC-FC)を利用可能とし,LC-FC HDDの出荷も開始する予定。

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