米Time Warnerは米国時間8月3日,2005年第2四半期の業績を発表した。売上高は107億ドルで,前年同期の108億ドルから1%の減収となった。純損失は3億2100万ドル(希薄化後の1株当たり損失は7セント)で,前年同期の純利益7億7700万ドル(希薄化後の1株当たり利益は17セント)から赤字に転落した。

 米メディア(InfoWorld)によると,法定準備金など一時的な費用を除いた場合の1株当たり利益は18セント。アナリストは,一時的な費用を除いた場合の1株当たり利益を19セントと予測していた。

 当期の営業損失は12億ドル。前年同期は営業利益18億ドルを計上していた。「法廷準備金として30億ドル計上したため,その分営業利益が減少した」(同社)。減価償却費控除前の調整後営業利益(OIBDA)は前年同期比3%減の26億ドルとなった。

 法廷準備金の30億ドルには,同社株主による集団訴訟の和解金24億ドルや,司法省に支払った和解金1億5000万ドルなどが含まれる。同社会長兼CEOのDick Parsons氏は,「和解に応じることで,訴訟の長期化によって生じるコストやリスクを回避して前進できる。法廷準備金を確保したことを考慮しても,当社のバランスシートは堅調だ」と述べた。

 事業別にみた場合,AOL事業の売上高は前年同期比4%減の21億ドル。広告収入は同45%増加したが,サブスクリプション収入の同9%減少に相殺されたかたちとなった。Cable事業は同11%増の24億ドル,Filmed Entertainment事業は同15%減の26億ドル,Networks事業が同5%増の25億ドル,Publishing事業が同4%増の15億ドルだった。

 同社はまた,今後2年間の株式買い戻し予算として,50億ドルを確保したことを明らかにした。

 2005年通期については,OIBDAが2004年通期の99億ドルと比べ,1ケタ台後半の成長率になる見通し。「売上高と利益率の増大を見込んでいる」(同社)

 また同社は,調整後OIBDAの30~40%をフリー・キャッシュ・フローに変換する予定という。

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