米Solomon-Wolf Associatesは,個人が利用するISPに関して調査した結果を米国時間1月13日,発表した。それによると,ISPブランドの整理統合が進んでおり,ISPの上位10社にインターネット・ユーザーの約4分の3が集中している。2001年の調査では,上位10社のインターネット・ユーザーは全体の半分以下だった。

 Solomon-Wolf Associates社のDoug Solomon氏は,「経営の失敗や吸収合併などが,ISP市場の整理統合を招いている。1999年7月には米国に1200社以上のISPがひしめいていた。それらのほとんどが小規模で,時とともにユーザーはより良いサービスとより速い接続を提供するISPへと移っていった。マーケティングを展開する力のあるISPにもユーザーが流れた」と説明した。

 小規模ISPを踏み台にして成長している大手ISPブランドだが,トップ2である米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)と米MicrosoftのMSNの雲行きはあやしい。2002年1月は合わせてユーザー数ベースのシェアを41%獲得したが,2003年7月の合計シェアは35%に縮小している。

 「AOLとMSNのシェア減少は,明らかに,ユーザーがブロードバンド・サービスへ移行しているためだ。AOLもMSNもブロードバンド・サービスを提供しているが,消費者はブロードバンド接続には米Comcastや米SBCなどのケーブル事業者を選ぶ傾向にある」(同氏)

 消費者がISPに支払う月額は平均28ドル45セントで,AOLとMSNの利用料はこれより10%以上安い。「AOLはさらに低額のダイヤルアップ・サービスを新たに始めた。しかし,安いというだけでは事態は好転しない。低料金と高速接続の選択肢がある場合,消費者は高速接続を選ぶものだ」(同氏)

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