米Time Warnerは米国時間1月28日に,2003年第4四半期と2003年通期の業績を発表した。2003年第4四半期の売上高は前年同期比6%増の109億400万ドル。純利益は6億3800万ドル(希薄化後の1株当たり利益は14セント)で,前年同期の純損失449億500万ドル(希薄化後の1株当たり損失は10ドル4セント)から黒字転換を果たした。

 第4四半期の営業利益は15億1900万ドル。前年同期は営業損失423億7500万ドルを計上した。償却費用を除いた調整後の営業利益は23億8800万ドルとなる。

 事業別にみると,AOL事業を除くすべての事業が成長した。AOL事業の売上高は前年同期比7%減の21億5600万ドル。Cable事業が同9%増の20億300万ドル,Filmed Entertainment事業が同17%増の33億7800万ドル,Networks事業が同4%増の21億6800万ドル,Publishing事業が同3%増の16億3300万ドルとなった。

 2003年末時点における,米国のAOLサービス会員数は2430万人。第4四半期中に39万9000人減り,通期では約220万人減少した。

 2003年通期の売上高は前年比6%増の395億6500万ドル。低迷が続くAOL事業以外のすべての事業が成長した。純利益は26億3900万ドル(希薄化後の1株当たり利益は57セント)。前年の純損失は986億9600万ドル(希薄化後の1株当たり損失は22ドル15セント)だった。

 営業利益は53億6500万ドル(前年の営業損失は385億5400万ドル),償却費用を除いた調整後の営業利益は88億900万ドルとなった。

 Time Warner社は2004年通期の見通しも明らかにした。償却費用を除いた調整後の営業利益は,Filmed Entertainment事業を除くすべて事業において2003年を上回る見通しだ。なお,同社は音楽事業の売却を進めていることから,2004年の予測に音楽事業は含まない。

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