米Mozilla FoundationのWebブラウザ「Firefox」の普及促進を図るコミュニティ・サイト「Spread Firefox」がハッキングの被害に遭った。Mozilla社が米国時間7月15日に明らかにしたもの。

 同サイトはスパム・メール送信の目的でハッキングされたとみられるが,「攻撃者が個人データにアクセスした様子はない」(Spread Firefoxのブログ)。同サイトでは,安全を期してパスワードを変更するよう呼びかけている。

しかし,米メディア(WebProNews)掲載の記事では,個人データへのアクセスが全くなかったという見解に疑問を投げかけている。Spread Firefoxメンバーに送られた攻撃メールのコピーから判断すると,実名,URL,電子メール・アドレス,IMネーム,住所,誕生日など,メンバーが同サイトに提供した情報が盗まれた可能性があるという。

 Mozilla社によると,Spread Firefoxサイトへの攻撃が始まったのは10日で,攻撃を確認したのは12日。Mozilla社は同サイトを一時停止し,15日に復旧した。ハッキングの被害にあったのは同サイトのみで,「Mozilla社のWebサイトおよびソフトウエアは影響を受けていない」(Mozilla社)。

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