米国土安全保障省(DHS)は米国時間7月13日,テロ攻撃などの潜在的な脅威に対する対応強化を発表した。同省長官のMichael Chertoff氏が,6つの指針と組織再編成案を明らかにしたもので,サイバー・セキュリティ/通信担当の次官補を新たに設けるほか,DHSの方針・業務・構造を最適な形に調整するという。

 サイバー・セキュリティ/通信担当次官補は,重要な通信インフラおよび資産の脆弱性検出と査定を行い,有効情報を適時提供する役割を担う。

 6つの指針は,DHSのプログラムや活動などを調査した「Second Stage Review」の結果を反映したもの。Chertoff氏は「DHSは,早急に改善を進める必要がある。我々の敵は千変万化しており,我々も機動性と決定力を高めなければならない」と述べている。

 主な内容は以下の通り。

・全体的な準備体制の強化(特に大災害向け)
・人・モノを安全かつ効果的に移送するための輸送セキュリティ・システムの開発
・国境および内陸部での警備強化と,入国管理プロセスの改革
・提携先との情報共有の強化
・DHSにおける,財務管理,人材開発,調達,ITの改善
・DHS組織の再編成により,任務遂行能力を最大化

 また,組織の再編成案では,「方針策定・調整の集約化と改善」「情報機能・情報共有の強化」「オペレーションの連携・効率の改善」「軍備資産の調整・配置の強化」を中心に,部門の統合などを行っているという。

◎関連記事
「米国土安全保障省はITセキュリティに対する役割を果たせていない」,米会計検査院の調査
米国土安全保障省の新たな諮問委員会,民間企業などから20人で構成
米国土安全保障省がセキュリティ情報サービスを開始
「米国の非軍事政府機関のセキュリティIT支出は今後5年間で27%増加」,米調査
米連邦政府機関のセキュリティ対策,2004年の総合評価は「D+」
「組織的サイバー犯罪の対策委員会発足が急務」,企業CTOが政府に要請
セキュリティ関連団体のCSIAが米政府に勧告「サイバー攻撃が米国経済に数十億ドルの損害」
「サイバー犯罪の被害額は3年連続で低下,ただし油断は禁物」,米CSIの調査

[発表資料へ]