米NPD Groupは米国時間6月20日,高精細テレビ(HDTV)の普及状況について調査した結果を発表した。それによると,40~46インチの大型スクリーンに消費者の関心が集まっていることが分かった。また,壁掛けが可能なプラズマ・テレビやLCDテレビを購入したいと考える消費者は約25%に達し,“大型・薄型”製品に人気が集まっている。

 調査は2005年4月15~22日に,成人6280人を対象に実施したもの。「真空管式テレビ」「プラズマ・テレビ」「LCDテレビ」「背面投射型テレビ」「前面投写型テレビ」の5タイプに関して,テレビの用途や利用状況などについて尋ねた。

 LCDテレビに,DVDプレーヤなどの何らかの機器を接続している回答者は76%。真空管型テレビの89%や,それとほぼ同程度のプラズマ・テレビを下回った。「LCDテレビを,エンターテインメントの中心として見なす消費者は思いのほか少なかった」(NPD Group社)

 また消費者の20%は,ケーブル放送のデコーダとして利用できるCableCard(ケーブル・カード)に関心を持っている。このカードを対応するテレビと組み合わせれば,これまでケーブル会社が独占的に提供していたセットトップ・ボックスの代わりとして利用できる。

 現在,従来型テレビの利用者は96%にのぼるが,今後1年間にテレビを購入予定の消費者は,真空管型テレビ以外にも,プラズマ・テレビやLCDテレビを候補として検討していることが分かった。また,次回購入するテレビにハード・ディスク機能を望む消費者は約60%に達した。

 同社によると,HDTVが市場に登場して7年になるが,その機能や利点についてよく理解していない消費者が多いという。「メーカーやサービス・プロバイダと小売店は,さまざまなテレビの違いについて,分かりやすいい情報提供を行うべきだ」(NPD Group社業界分析担当アナリストのRoss Rubin氏)

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