米In-Stat/MDRは,世界のHDTV(ハイビジョン)サービスに関する調査結果を米国時間3月28日に発表した。それによると,2005年3月現在,世界で1000万世帯がHDTV番組を視聴しており,2005年末にはその数が1550万世帯にのぼる見込み。今後数年間は堅調に増え続け,2009年末には5200万世帯に達するとみる。

 ただし,In-Stat社アナリストのMike Paxton氏は「HDTV視聴世帯は拡大の一途をたどっているが,HTDVサービスの普及を実現するために克服しなければならない課題がいくつかある」と指摘する。「具体的には,HDTVコンテンツを拡充し,引き続きHDTVのメリットを一般大衆に啓蒙し,HDTVサービス提供地域(特に欧州)を拡大することだ」(同氏)

 その他の主な調査結果は以下のとおり。

・HDTVサービスが広く普及しているのは,オーストラリア,カナダ,日本,米国,韓国の5カ国のみ

・米国のHDTV視聴世帯は400万世帯で,2004年3月の160万世帯と比べて増加している

・世界のHDTV視聴世帯の45%が衛星TVサービス・プロバイダを利用しており,残りの世帯は地上波放送局やケーブルTV事業者のサービスを導入している

・米国消費者を対象としたある調査では,HDTV受像器でHDTV番組を視聴した経験がある回答者は76%にのぼった。ただしその多くは,小売店でのデモを見ただけである

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