欧州アリアンスペースのJean-Yves Le Gall社長兼最高経営責任者(CEO)は先ごろ東京都内で会見し,「HDTV(高精細度テレビ)放送用の衛星に対する需要の高まりが,今後の商用衛星の打ち上げ事業をけん引する」との見通しを明らかにした。「全世界で今後,毎年15~20基の商用衛星の打ち上げが予定されている。HDTV放送に使われる衛星は,そのうち4分の1を占めるようになる」という。さらに,「HDTV放送に対応した薄型テレビ受像機の普及が,HDTV放送へのニーズを高めている。国際的に(商用衛星打ち上げ市場の)見通しは明るい」と述べた。

 なお2003年の打ち上げ実績をみると,HDTV放送用の衛星を打ち上げる発注が世界で4件あった。アリアンは,そのうち2件を受注したという。