米EMCは,内容が変わることのないデータの管理,長期保存に特化したストレージ・ソリューション「EMC Centera Content Addressed Storage(CAS)」に仮想プール機能と遠隔バックアップ機能を追加した。同社が米国時間6月20日に発表した。

 仮想プール機能により,Centeraは,企業の情報ライフサイクル管理(ILM)戦略の一環として収集された電子メール,文書,画像の中央アーカイブとしての役割りを果たす。仮想プールにより,ユーザーは,必要に応じてCentera内にストレージ・プールを作成できるため,優先順位をもとにアプリケーションごとのデータ管理が可能になるという。

 仮想プール機能は,検索エンジン「EMC Centera Seek」と「EMC Centera Chargeback Reporter」を使うことにより,より高度な活用が可能となるという。適切な権限を持つユーザーは,Centera Seekを使って,それぞれの仮想プールまたはCenteraシステム全体を通じてデジタル・コンテンツを検索することができる。また,Centera Chargeback Reporterソフトウエアにより,仮想プールの使用状況を社内の部署ごとにチェックして,それぞれの経費の負担が算出可能になった。

 新しい遠隔レプリケーション機能では,バックアップしたい仮想プールだけをリモートから複製できるようになった。遠隔バックアップ機能は,リレー方式行なうチェーン型のバックアップと分散されたアーカイブを一元的にバックアップするスター型に対応する。

 チェーン型では,異なる場所に設置した最大3基のCenteraシステムにリレー方式でリモートからバックアップできる。スター型では,最大3基のリモートまたはエッジCenteraシステムのデータを1基のCenteraにバックアップできる。新しく加えられた機能の柔軟性により,企業は,企業は緊急時に備えてより信頼性の高い復旧プログラムを実装できるようになったという。

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